夏休みに入り、実家に帰る人が大半だったが

ルージュの実家と言えば施設になる。


帰っても部屋はないだろうし、わざわざサフィに迷惑はかけたくない。

というわけで、夏休み中も寮で過ごす。

申請さえすれば図書室にも行けるし、一人は気楽でいい。


「あら、ルージュちゃん。一回目のテスト以来ね」

駆け寄ってきたのは、フォルテ先生だった。