「…そういえば、どうして急にこの本を読もうと思ったんだ?」

「ドラゴンがいるかもしれないという噂を聞いたので…」

「そうか…、まぁ今は眠りについているがな、いることにはいる。だが、この話は内密で頼むぞ。

余計な不安を与えたくないからな」

「わかりました」

「…この本に出てくる鏡が本当にあったらな」

不意にクフォードがポツリとつぶやいた。

「誰でも会えるとなったら、ルージュ嬢は誰か、会いたい人はいるか…?」

視線を本からルージュへと移し、まっすぐに見つめる。