『彼は絶望し、悲しみ、怒った。そして、ドラゴンを何としてでも倒すと決意した。

学園の教師たちもドラゴン退治に乗り出していたが、当時は倒せる力を持つ者はおらず難航を極めた』

『ーー学園の周りは、ドラゴンが創り出した結界によって囲われており抜け出すことは不可能であった』

『ーードラゴンを倒す方法が、たった一つだけあることが分かった。

それは、ドラゴンに喰われた死者の魂を使った古代の大魔法だった。彼は、当初その魔法を使うことをためらった』

『なぜなら、死者の魂の中には最愛の妹の魂も含まれているはずだからだ。魂は魔法を使うことによって消滅してしまう』

『しかし、最愛の妹もきっとドラゴンを倒すこと、

これ以上の犠牲者が出ないことを望んでいるはずだと思い、古代の大魔法を使うことを決意した』

『ーーそして見事、ドラゴンを打ち破り、平穏な日々が戻った。ドラゴンは森の奥深く、地中の奥深くで眠りについた』