いつも笑顔を崩さないルシアンが、一瞬笑顔を崩しすぐに元通りになる。

「ふんっ、ルシアンもか。ライバルが増えてくなぁ。…でも、興味本位ならやめた方がいいよ」

「もちろん、全力でいかせてもらいますよ」

(なんの話か全く分からん)

「…おいおい、ルージュ嬢を困らせるな」

仕事が終わったのか、クフォードがこちらに歩いて来る。

「待たせたな、今日だけで書類が山のように溜まってしまってな」

「…それで、あの。私はなんで呼ばれたんでしょうか」

クフォードは一人掛けソファに座る。

紅茶を飲んで、一息ついたところを見計らって声をかける。