ルージュを見つめながら、クフォードは重ねる。大切な妹のーー、と。 「すまない、君にとっては迷惑でしかないよな」 「…いえ。…もし、その殿下の大切な方が現れたらーー」 「失礼しまーす」 嬉しいですか?と、続けることはできなかった。 (…いや、聞かなくてよかったかもしれない) 「おいキースっ、殿下にルージュ嬢と少しの間、二人っきりにしてくれって言われてただろっ」 キースの後ろにはレーウィスもいる。 「えー、もう十分話したでしょう」