「あっ、違うの!そういう意味じゃなくって!何て言えばいいかな……とにかく、ひなちゃんが羨ましいって話!」


少し焦ったように言う美波ちゃんに、あたしはキョトンとする。

だけど、すぐに悪気がないことが伝わってきて、あたしは笑顔で「うん」と頷いた。


りっくんは子どもの頃から整った顔立ちだったけど、確かにここ数年でビックリするくらいカッコよくなった。

それこそ、あたしなんかが隣に並んでていいのかなって不安になるくらいに。


「でもさ、子どもの時に好きだったからこそ分かってたんだけど、空井くんってずっとひなちゃんのこと好きだったよね」


「すごいなぁ」と続ける美波ちゃん。

りっくん本人にもそんなこと、言われたことがある。

だけど、第三者に言われると現実味が増すっていうか、本当なんだなって思って、恥ずかしさと嬉しさに顔を赤くして俯いた。


──そんな時だった。