「で、荒木さんはハクを連れて、どこへ行ったの?」

「お城の焼け跡に行ってみるって。ほら、今は大きな公園になってるから」

「そっか」

 遠足でよく行く、地元では定番の公園だ。

だだっ広い芝生が広がっているだけで、特に何かがあるわけでもない。

「待って。じゃあもし見つかったら……」

「ハクと荒木さんが、第一発見者になるよね。私はほら、部活のことで忙しいから……」

 じゃあ、あの白銀の龍との約束は? 

いくら自分の記憶を封印して消し去ってるからって、いくらなんでも消しすぎだろ。

二人で一緒に見つけてどうする!

「ちょっ、それじゃ……」

 荒木さんを止めないと。

駆け出そうとして、ここがコンビニ前のバス停だったと気づく。

もう遅い。

「どうしたの?」

「あ……、荒木さん、ハクとか宝玉を、ネットに晒したりしないかな?」

 我ながら酷い言い訳だと思う。

そんなこと、するヒトじゃないって……。

「そんな焦らなくても、見つかってないんじゃないのかな。荒木さんからなんの連絡もないし」

「てゆうか、荒木さんは公会堂の搬入手続きとその手伝いのために先回りしたの? それとも宝玉探し? どっちがメイン?」

「さぁ……。きっとあの人のことだから、部活の方がメインだと思うよ」

 なんかもう、どこまで本気で、どこまで真面目なのかが分からない。

荒木さんも舞香も……。

俺はため息をついた。

「まぁ、そんな急いでるわけでもないのかもな。ハクも」

「うん。きっとそうなんだよ」

 彼女がうつむく。

その姿に、俺はふと我に返った。

「あ、バスの時間!」

「本当だ! じゃ、また明日ね」

 手を振ってかけ出す彼女に、同じように手を振る。

なんだかな。

これで本当によかったのかな。

そんな疑問が頭から離れない。

今日もバスは遅れてやって来る。

それに乗り込んで家路についた。