1,200年前、チビ龍は天界からやって来て、大切な龍の宝玉をこの山に埋めた。

それが必要になったから取りに来てみれば、すっかり周囲の様子は変わってしまって、宝玉も見当たらないらしい。

【元々あった池の底に隠したってこと?】

【ううん。空からそのまま地面に落としたら、めり込んだんだって】

 なんて雑な龍だ。

家に戻った俺は、スマホのメッセージで舞香とやりとりをしている。

チビ龍は宝玉を隠してから200年後、つまり今から1,000年くらい前に、気になって一度は見に来ていたらしい。

落としたその場所が池になっていたところまでは分かっていて、その時はそこに宝玉があった。

【1,000から1,200年前って、平安時代なんだね】

【そこまでは私も調べた】

 それって、調べたっていうレベルか? 

トーク画面にあったその文字を、ついじっと見つめる。

【他には?】

【池がマイナー過ぎて、図書館の郷土資料史なんかにも載ってない。てゆーか、池だけで検索かけて調べるのがムリだった】

【そっか。俺も他になんか方法ないか、ちょっと考えてみるね】

 画面を閉じると、俺は部屋の灯りを消してベッドに潜り込む。

考えるって、なにをどう考えるんだよ。

平安時代だぞ?

 そのまま俺は眠ってしまったようで、気がつけば朝を迎えていた。

ベッドから起き上がり、いつものように身支度を調えると、家を出る。

「あぁ、今日もいい天気だなぁ~……」

 そうだよ、俺。

よく考えてもみろ。

相手は100年とか1,000年レベルで話しをしているヤカラだぞ。

だったらそれは、この数ヶ月でどうこうって話しではないんじゃないのか?