狂った隣人たち

「それなら、どこか遊びに行ったんじゃない?」


「遊びに行くときには俺か両親かにメールするようになってるんだ。あいつ、キッズケータイを持ってるから。でも今はひとりでの外出禁止にしてる。今のあいつ、不安定だから」


息を切らして早口にまくし立てる祐次に、だんだんことの重大さがわかっていた。


「連絡はきてないの?」


「あぁ」


話ながら気持ちが落ち着いてきたようで、祐次は自分のスマホを取り出した。


「待って、もしかしたら両親には弘人からの連絡が来てるかもしれない」


言いながら両親へメッセージを送る準備をしている。


くるみは不安な気持ちで家の周りを見回した。


車ところか通行人の姿も見えない。


この時間帯は意外と人の行き来が少ないのだ。


当然弘人の姿もなかった。


「両親にも連絡が行ってないみたいだ」


「そうなんだ。探す?」


「あぁ。とりあえず学校に探しに行ってみる」


「じゃあ私も」


「くるみは家にいて、もし弘人が戻ってくるのが見えたら連絡してほしい」


「それならお姉ちゃんに頼めば良いよ。もう帰ってきているみたいだから」