狂った隣人たち

なにがあったのかと母親とともにかけつけると、地面には生ゴミが散乱していた。


父親と聡子の服や髪にも、小さな生ゴミが付着してる。


信じられない気持ちで隣人をみやると、生ゴミの袋を握り締めてニコニコと微笑んでいる。


周囲は悪臭に包まれ、思わず鼻をつまんだ。


信じられないような対応だった。


どうしてそんなことをするのか。


うちの家がなにかわるいことをしたのか。


問いただして見ても隣人はニコニコと笑顔を浮かべるばかりだった。


自分が悪いことをしたという自覚すらなかったのかもしれない。


最終的にその家族は家族間での殺人事件を引き起こしてしまった。


でも、これはまだいい方だったかもしれない。


その前に住んでいた人は人殺しはしなかったものの、牧場から盗んできた牛一頭を庭で解体していたときがある。


とにかくあの家に暮らす人間は数週間くらいでおかしな行動を取り始めるのだ。


そしてそれはエスカレートしていく。


大神家の人間でそこまでおかしくなった人はまだいない。


弘人くんの言動は気になるところがあるけれど、まだ異質なものとまではいえなかった。