狂った隣人たち

「くるみを呼んだんだ。夕飯をいただいたお礼にクッキーを出した」


仕方なく説明すると弘人が「妹のほう? お姉ちゃんのほうがずっと美人なのに、変なやつ」と口を挟んできた。


「お前には関係ないだろ」


「それならクッキーの箱ごと持って行けばよかったのに」


母親は購入してきた食材を冷蔵庫へ入れながら言う。


「祐次にだって色々とあるんだ。わかってやれよ」


父親がそう言い、祐次へ向けてへたくそなウインクしてよこしてきた。


祐次は苦笑いで返事をする。


「え? うそ、まさかそういうこと? なんだぁ、それならそうと言ってよ」


母親も納得したように楽しげな声を上げる。


「もういいから、ほっといてよ」


祐次は顔を赤くしながら紅茶のカップを片付けて、逃げるように自室へ向かったのだった。