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くるみが自宅の玄関を入っていくのを見送った直後、祐次の家族が戻ってきた。
「帰ったぞ」
スーパーの袋を提げて車から降りてきた父親に「あぁ」と短く返事をする。
「これからどこかに行くの?」
玄関の外に出ていた祐次に母親が聞く。
「いや、今戻ってきたところ」
軽く嘘をついて祐次も家の中へと入っていく。
その後ろから弘人がついてきた。
途端に家の中がにぎやかになってくるみとの穏やかな時間がかき消されていくような気がした。
「あら、誰かお客さんでも来てたの?」
リビングに置きっぱなしにしていた紅茶のカップに、祐次は「しまった」と、顔をしかめる。
片付けてから見送るべきだった。
くるみが自宅の玄関を入っていくのを見送った直後、祐次の家族が戻ってきた。
「帰ったぞ」
スーパーの袋を提げて車から降りてきた父親に「あぁ」と短く返事をする。
「これからどこかに行くの?」
玄関の外に出ていた祐次に母親が聞く。
「いや、今戻ってきたところ」
軽く嘘をついて祐次も家の中へと入っていく。
その後ろから弘人がついてきた。
途端に家の中がにぎやかになってくるみとの穏やかな時間がかき消されていくような気がした。
「あら、誰かお客さんでも来てたの?」
リビングに置きっぱなしにしていた紅茶のカップに、祐次は「しまった」と、顔をしかめる。
片付けてから見送るべきだった。



