廊下が真っ赤に染まっていてそれは和室へと引きずられたような痕を残していた。
呆然と立ち尽くすくるみの耳にズルッズルッと、床下から聞こえてきたような音が聞こえてきた。
その場から動けずに入ると、リビングのドアが開いた。
そして祐次の父親が、祐次の体を重たそうに引きずりながら出てきたのだ。
「け、警察!」
後ろで聡子が叫んで家から駆け出していく。
くるみは目の前の光景に釘付けになった。
和室へと運ばれていく祐次の体。
そしてその部屋には……すでに息絶えた祐次の母親と弟の弘人、それに引越し作業員3人の姿があった。
祐次の体はそれらの上に積み重ねるように置かれ、そして父親が振り向いた。
沢山の返り血を浴びて真っ赤に染まった父親はニタリと笑うと、刃物を自分の首に押し付けた。
「なにする気!?」
咄嗟に声をかけると、父親はゆっくりと口を開いた。
「終わらないよ。いつまでも」
それは祐次の父親の声ではなかった。
幻覚で見た、和宏の声だった。
父親は笑顔を浮かべたまま、くるみの目の前で自分の首を切りつけたのだった……。
呆然と立ち尽くすくるみの耳にズルッズルッと、床下から聞こえてきたような音が聞こえてきた。
その場から動けずに入ると、リビングのドアが開いた。
そして祐次の父親が、祐次の体を重たそうに引きずりながら出てきたのだ。
「け、警察!」
後ろで聡子が叫んで家から駆け出していく。
くるみは目の前の光景に釘付けになった。
和室へと運ばれていく祐次の体。
そしてその部屋には……すでに息絶えた祐次の母親と弟の弘人、それに引越し作業員3人の姿があった。
祐次の体はそれらの上に積み重ねるように置かれ、そして父親が振り向いた。
沢山の返り血を浴びて真っ赤に染まった父親はニタリと笑うと、刃物を自分の首に押し付けた。
「なにする気!?」
咄嗟に声をかけると、父親はゆっくりと口を開いた。
「終わらないよ。いつまでも」
それは祐次の父親の声ではなかった。
幻覚で見た、和宏の声だった。
父親は笑顔を浮かべたまま、くるみの目の前で自分の首を切りつけたのだった……。



