この家はすぐに取り壊されてしまうというのに、さっきから掃除に余念がない。


17年間もお世話になってきた家だからお礼の気持ちをこめないといけないみたいだ。


その気持ちには祐次にもよくわかった。


食器の片付けが終わったら、俺も自分の部屋を掃除しよう。


そう考えつつキッチンへ向かったのだった。