狂った隣人たち

祐次は食器をすべて流し台の中へ移動すると、そのまま浴室へと駆け込んだ。


全裸になって少し冷たいシャワーを浴びると徐々に気持ちが落ち着いてくる。


しかし昨日の出来事を思い出そうとすると、やはり自分の中に拒絶反応が出てきてしまう。


目をそらすことはできないのに、現実から逃げてしまいたくなる。


少しサッパリして風呂場から出て、いつもどおり制服に着替える。


その間にも誰も部屋から出てくる気配がなかった。


食パンを食べて玄関まで移動してから、一瞬家の中を振り向いた。


そこには誰もいない、ダンドールが積み上げられた廊下が続いているだけなのに、どこからか見られているような気配を感じた。


祐次は恐怖心を打ち消すように「行ってきます」と、声をかけて玄関を出たのだった。