すごい、櫻井くんの目って長さが計れちゃうんだ…。


高校2年生になったんだからちょっと変わったことをしてみようって、ゆっこに言われて。

ゆっこはゆっこで丹羽先生に対してヤキモチを妬かせたい挑発でもあるらしく、「こうしてると毎日構ってくれる」とのことで。



「これって…俺に触って欲しいってことですよね、」


「えっ…!?ひゃっ、わっ…っ、だめだよこんなところで…っ」


「…“こんなところ”じゃなかったら良いってこと?」



ねぇ、かなちゃん───。


くにゃりと全身をこうも簡単に骨抜きしてしまう主計くんボイス(タメ口ver)。



「いじわるだよ…、主計くんっ」


「……」


「きゃあ…っ!」



涙目で訴えると、今度は力いっぱい抱きしめられる。

何がなんだか混乱状態のなか、甘い息をはあーっと吐いては「…ずりー」なんてつぶやかれた。



「はー、我慢しろ俺…、耐えろ俺、」



頭を抱えるようにぶつぶつ言ってる主計くん。

大好きな腕のなか、思わずくすっと笑ってしまった。



「そーいうとこですよ、もう。…ほんとまじかわいい、やべー襲いてぇ、」


「えっ……、」


「…いいえ?」


「いやっ、いいえって…、わっ、んん…っ!」



ゆっこに聞いたところ、これは俗に“溺愛”なんて呼ばれるものらしく…。

櫻井 主計のそれはきっといま以上に、考えられないくらいに、すっごく甘いものなんだろうと。


私はまだまだ知らないことばかりみたいで…。