「順序がバラバラでごめんなさい。…由比さん、俺は、この先も由比さんだけの剣になって…必ず守って、ぜったい幸せにします」
逆に静かになってしまった教室。
その続きはどんな言葉が飛び出すのかと、私以上にみんなが見つめる中で。
「俺と───…結婚前提で付き合ってください」
けっこん……ぜんてい………。
しゅーーーっと上がったロケットは、そのまま落下するように落ちてくる。
そしてドガーーンッと爆発するような衝撃が走って。
「こ、婚約前提……じゃ、なくて……?」
「はい、結婚前提です」
その場にいる誰もがまずは口をぽかーーん。
そして、じわじわ取り戻してくると。
「はぁぁあああぁぁああ~~~~!?!?」
「結婚!?!?結婚って言った…!?!?言ったよね……!?こんなのプロポーズじゃん……!!」
「ち、ちがうわよ!!大根って言ったのよ!!」
「ばかっ!!レンコンよ、レンコン!!」
大根……?レンコン……?
「大根前提で付き合うってなによ……!!レンコン前提も意味わかんないでしょっ!!」
「知らないわよ私に聞かないでっ!!!」
“婚約者 ”
今までその言葉は何度も聞いていて、逆にこれだけには慣れていたけれど。
結婚───…。
ウェディングドレス、タキシード、チャペル、もしかすると白無垢に袴かもしれない。
一気に生々しさを増す素敵な言葉。
それは1周まわって新鮮で、「お付き合い」という言葉も幸せで。



