お医者さんが言ってくれたとおり、次の日には学校に行けた。


2日休んでいた間、私のために授業のノートを取ってくれたのはゆっこと……後藤さんだった。


びっくりしている私に、後藤さんはノートだけを渡して何も言わなかった。

だけどこれはもう言葉じゃないんだろうなって。



「あ、ゆっこ…、」


「んー?」


「に、丹羽先生のこと……、泣いていいんだよ…?」


「え?」



え?って…。

だって振られちゃったんだよね…?
バレンタインも貰ってくれなかったって。


あのときは私を目一杯泣かせてくれたけど、泣きたいのはゆっこも同じだったはずなのに。


だからいいの、私の胸に飛び込んできて───の意味を込めてバッと両手を広げた。



「あはっ、かなのーー!大好きーー!!」


「わっ!えっ、そうじゃなくて…!でも私も大好き…」


「かーわいいっ!!来世はあたしと結婚しよ?あたし男になる気がするからたぶん!」



……なに言ってるんだろう。

ゆっこ、ちょっとテンションがいつもより高い気がする。

あれかな、悲しい気持ちを出さないように無理してるってことなのかな…。