俺の世界には、君さえいればいい。





優子ってどうして由比さんと仲良くなったの?なんて、今でも聞かれる。

その本当の意味は、「なんで由比さんなんかとつるんでるの?」ってこと。


そんなこと言ってくるあんたらと仲良くなんかしたくないからですよーって。

あたしはいつも心の中で冷たく返してる。



「…なんていうか、かなのと居るとさぁ、平和なのよね」


「……わかる。」



お、ここは共感があったみたいだ。

あたしの意見に初めて同意を示してくれた。



「頑張れって応援したくもなるし、でもあの子はあの子で強いから。自分ひとりだとしても楽しみ方を知ってる子」


「…俺もそれは思う」


「だけど、大泣きさせちゃった」



「え?」と、すぐに聞き返してくる。



「ここで、一昨日ね。かなのがあそこまで泣くんだってくらい…あたしもびっくりした」


「は?おい、なに泣かせてんだよ」



泣かせたわけじゃないっつーの。

けど、泣いて欲しかったのは本当。


あんな毎日毎日泣きそうな顔して、今まで以上に大人しく地味に生きようとしてたから。

消えちゃうよ、あのままだと本当に冗談抜きで消えちゃうところだった。


でもそれが、苦しい何かを我慢しているようにあたしには見えて。