俺の世界には、君さえいればいい。





当たってるよ、その考察。

その女にね、あたしの友達はすっごい泣かされたの。

それを話してもいいんだけど…それ前に言わなくちゃいけないことがある。



「チョコ、貰えなかったんだって?」


「……お前に関係ないだろ」


「うんうん関係ない。だからこれは独り言。独り言よ?気にしないでね?
あー美味しかったなぁ、かなの手作りの愛情たっぷりガトーショコラ」


「……、」



うっわ、すっごい効いてる。

まさかちょいちょいっと煽っただけで無表情プリンスのこんな顔が見れちゃうなんて。


こらえなきゃ、笑いを。

ぷぷって、気を抜いたら吹き出してしまいそうだから。



「…どんな、味だった」


「えっとねぇ?ふわっ、しっとり、かなのらしい味っていうか、んー、あれは食べた人にしか分からないわ~。
ごめんねぇ?貰えなかったんだもんねぇ?」



ニヤニヤ、
ケラケラケラ、ふはははははっ。


鼻を伸ばせるだけ伸ばして、はい胸を張って、はい両手は脇腹。

まるで見下ろすようにわざとらしく笑ってやるあたしは女王様かっての。



「……お前といて染まらない由比さんで良かった」


「はっはっはっ、あたしも思うわー。釣り合わないって」