俺の世界には、君さえいればいい。





「あんたのほうが可愛いわっ!!」


「えっ…そんなの絶対ない、」


「いやある!!かなのってなんでそんなに自信ないの?
無表情ムッツリプリンスだってあたしと同じこと思ってるはずなのに…」


「…櫻井くんは、優しいから」



本当に優しさだけ…?

優しさだけで、あんなにも温かい目をしてくれる……?


私の中にいる、櫻井くんの素敵なところを知ってしまった私は言っていた。



「かなの、かなのはどうしたいの?本当の本当に、そのマネージャーに櫻井くんを渡しちゃっていいの?」



嫌だ、渡したくない。

飛び出しそうになって引っ込める。



「それで櫻井くん…いや、独占欲しかないかなの溺愛ムッツリプリンスが幸せになると思う?あたしはそうは思わない」



なんかパワーアップした名前になった…。

覚えるのが大変だけど、ムッツリっていうのはやっぱり外さないんだ…。


幸せ……、

だって、誰もが認める2人だ。


櫻井くんと横山さんが並んで立っていれば、関係ない誰かが傷つくことだってない。

嫌がらせだって受けない、周りから祝福もされる。