「おーいそこの女子集団!サボらず走れーーー」
「普通こっんな真冬の季節にマラソンさせる!?ドS鬼畜教師ーーーっ!!」
「なんだぁーー?もう3周追加してくださいってーーー?」
「言ってない言ってない…!なんでもないでーーすっ!!」
これが若き体育教師、丹羽 健(にわ たける)先生のノリだった。
男子には同年代の友達、女子にはちょっと意地悪なお兄ちゃん。
だからこそゆっこのライバルって、意外とたくさんいると思う。
……そこは私も似たようなものかもしれないけれど。
「せーんせ!先生って甘いものすきー?」
「バレンタインは貰わねーぞ」
「……」
わっ、ゆっこ即答されちゃったけど大丈夫かな…?
やっぱり一筋縄にはいかないらしい丹羽先生の攻略。
けれどゆっこはめげずに「生チョコ?トリュフ?それともカップケーキ?」なんて笑顔で続けていた。
「俺イケメンだから1つ貰っちまうと果てしない量に増えるんだよ」
わぁ…。
丹羽先生ってそういうことを言ってしまうような人だったんだ…。
いつものゆっこなら呆れた顔をする場面だけど……恋する女の子は違うらしい。



