「てか聞いてっ!あたし丹羽にバレンタイン渡そうと思ってるんだけどっ!」
「そ、そうなの…?」
「それでね!そこにガチのラブレター突っ込むっての、アリだと思う?」
予想は大ハズレだった。
櫻井くんも“とくに代わり映えはないです”と、メールで知らせてくれて。
私たちの噂が何も立っていないということは、横山さんはやっぱり信じてなんかいなかったということだ。
そりゃそうだよね…。
あんなの、誰が聞いても信じない。
「えっ、じゃあ…丹羽先生に告白するってこと…?」
「まぁそうなるかなぁ~」
「ぜ、全然ありだと思う…!頑張ってゆっこ…!応援してるね…!」
「かなの…!!ありがとうマイエンジェル…!!」
それから私は本当に変わらない学校生活を送って、櫻井くんとすれ違ったときは挨拶に加えて笑顔が貰えるようになった。
そして次に近づくのはバレンタインだ。
女の子の一世一代の告白チャンス。
ゆっこも丹羽先生に本命チョコを渡すらしいのだけど…。
噂によると、丹羽先生が今まで生徒からのプレゼントを貰ってくれたことは無いらしい。



