俺の世界には、君さえいればいい。





確かに参拝に来ている同い年くらいの女子はみんなイマドキなファッションで。

さっきから俺を見てくる目だって分かってしまうけど、そんなの言ってしまえば鬱陶しくて面倒なだけだ。



「由比さんが鳴らしますか?」


「えっ、ううん、櫻井くんが鳴らしていいよ」


「…じゃあ一緒で」



お賽銭は十分ご縁がありますようにと、15円。

ふたりで一緒に鈴緒を握って、すこし強めに振って大きな音を鳴らす。


そんな俺の動きに遅れながらも一緒に鳴らしてくれた由比さん。



(由比さんを……幸せに出来ますように)



たぶん、この先。

今日の出来事はいつかの未来で由比さんと「懐かしいね」なんて、振り返る思い出のひとつになるかもしれない。


そのときにいる未来の俺の分まで格好いいことを祈った。

そんな未来で、俺の隣にいる由比さんはどんな顔をしているんだろう。



「由比さん、向こうに絵馬があるみたいで…」


「若い子たちがいっぱいいるところかな…?」


「そうです。…それ、俺も由比さんと書きたくて」



ここがメイン。

はい、ここが本日の目的。


もちろん今の願い事だってそうだけど、わざわざ神様に願わなくたって俺は由比さんを幸せにするつもりだ。