俺の世界には、君さえいればいい。





……あかちゃん。

アカチャン、赤ちゃん……。



「っ、あっ、やっぱりやめよう…っ」


「だ、大丈夫です、見ます、」



そんな耐えながら見るものでもないと思う、アルバムって…。

それでも私ですら懐かしくなって、気づけばお互い優しい顔でページを捲っていた。



「これ、すっごい泣いてますね由比さん…」


「あ、確かそれは…昔飼ってたカエルが居なくなっちゃったときので…」


「カエル…?」


「うん。お庭の池で飼っててね」



飼ってたっていうか、たまたま見つけて。

だからペット感覚というか、鯉とかじゃなくてカエルを見るために池を覗いてた幼少期。


そんなカエルがある日を境にぜんぜん見なくなっちゃって。

死んじゃった~!!なんて、泣いてた1枚だ。



「ふっ、由比さんにとってカエルは飼う生き物なんですね」


「む、昔の話だよ…?」


「初めて聞きました。ははっ、カエルを飼う人に出会ったのは初めてです」


「……」



複雑……。

だけど笑ってくれてるから、嬉しい。



「あっ、これインターナショナルスクールで節分のときのだ…」


「…また泣いてますね」


「これは鬼の金棒が怖くて…!」