それは昨日までもそう。
ふわふわしていて、本当に彼が私なんかの婚約者なの…?って考えてしまうくらい。
だけど今。
櫻井くんの気持ちも聞いて、お母さんの気持ちも聞いて。
私はやっとそれが本当なんだって実感できたと同時、幸せな気持ちが溢れてきた。
「お、おかあさ───」
「お母さん、孫は3人欲しいわ~!」
「「……え。」」
「男の子いいなぁ、でも女の子も可愛いのよねぇ……、そう!だから3人なの!
3人だったら両方とプラス1人が付いてくるじゃない!」
なっ、なに言ってるのお母さん…!!
それにそんなおまけみたいな言い方…!
急にそんなこと言われても混乱だし、私はいま嬉しさで泣きそうになってたのに…!
すぐに引っ込んじゃった…。
ありえない速さで涙が目の奥に戻っちゃった…。
「楽しみだわ~!かなのも若いうちに産んでおいて損はないわよ~?」
「ちょっ、おかっ、おかあっ、」
「ただ高校生のうちは高校生なりのお付き合いでよろしくね、櫻井くん」
「はっ、えっ、あ、はい…、……え…?」
ほら櫻井くんも困惑してる…っ!
いや困惑どころじゃない…!
そんなお父さんは穏やかに微笑みながらもシャンパンを一気飲み。
今にも火を吹くんじゃないかってくらい、私も櫻井くんも同じ赤だった。



