無事に家に到着して、そのサンタさんのお話をお母さんにしてみれば……。

櫻井くんに声をかけてみたら?なんて軽々しく言われてしまって。



「きっと櫻井くんのお家も忙しいよ。家族で過ごすだろうし…」


「聞いてみるだけいいじゃない!」



今年のクリスマスは、おばあちゃんは近所の方たちと温泉旅行に行っていて。

だから家族3人の予定だったけれど……。


1度言い出したら止まらないのもお母さんなのだ。

つられるようにお父さんもノリノリになっちゃったし…、これは電話だけでもしておかないと静まりそうになく。



『行きます』


「えっ、いやっ、でも櫻井くんも家族の方たちと…!」


『うちはわりとみんなそれぞれなところもあるんで平気です。そこまで海外の行事には固くなかったりして』



まさかの即答だった。

2コールで出てくれたスマホの先、あの試合の日以来の櫻井くん。



「でも…櫻井くんが居づらくないかな…?お父さんもお母さんもいるから、こっち…」


『俺も改めてちゃんと挨拶したいので…ご迷惑じゃなければぜひ。
それに…由比さんと一緒にクリスマス、過ごしたいです』