「……あっそ……だる……もういい」


最近は兄弟たちに莉乃を取られるストレスで、夜も眠れてなくて機嫌が悪いと思う。

だからついそんなことを言ってしまった。


……莉乃の部屋を出て、廊下を歩く。


「……どうしたんだよお前」

「樹……?」


だるそうに廊下を歩いている樹。


「元気なさそーだな。」

「まぁね」


元気ないから。


「まぁ俺は相談乗る気ないけど。」

「する気ないから」

「今年こそは本命貰うからな」

「一生もらえないだろ」


思わず鼻で笑う。


「……お前、最近変わったよな。なーつーか生意気っていうか。僕じゃなくて俺つってるし」

「……なんでだろーね。」