「はい」


『佳奈、大丈夫か!?』


出た瞬間怒号のように聞こえてきた慎也の声に、ふっと全身の力が抜けていく。


いつもどおりの様子に安心した。


「うん。昨日頑張ってくれたんだよね? ありがとう」


『そんなの当たり前だ! それより、体は大丈夫か? なんともないか?』


自分だって大変な体験をした後なのに、必死になってこちらの心配をしてくれる。


慎也らしさに、気がつけば佳奈はくすくすと笑っていた。


さっきまで胸の中に巣食っていた重たい感情が少しだけ晴れている。


『その調子なら大丈夫そうだな』


笑い声を聞いた慎也も、ようやく安心したみたいだ。


「うん。本当にありがとうね」


『今日、これから集合できるか?』


「もちろん」


佳奈は真剣な表情に戻り、頷いたのだった。