青の先で、きみを待つ。




予定どおり、五限目に実行委員を決めることになり、推薦としてみんなでまりえの名前を出すことになっていた。けれど……。

『えっと、実行委員は市川にやってもらうから』

担任の濱田先生の一言で、みんながぽかんとする。先生はまるで決定事項のように市川さんの名前を黒板に書いていた。

『は? なんで?』

『勝手に決まってるとかナシでしょ?』

当然、反対の声が次々と上がっている。

〝市川美保゛

彼女に関する情報は薄い。ただとても真面目な女の子で成績も優秀。教師からの信頼も厚くて、言葉を言い換えれば市川さんに任せておけば安心という考えがあるので、濱田先生はなにかにつけて市川さんのことを頼りにしていた。

『私たちはまりえがいいと思います! みんなで推薦するつもりでした!』

『どうせ自分たちが遊べることしか考えてないんだろ? 実行委員は責任ある仕事なんだ。だから責任感がある市川に俺が決めた。反論は認めない』

濱田先生は、はっきり言って自己中心的な大人だ。自分の利益になる生徒には優しく、自分の不利益になる生徒には冷たい。

わかりやすいと言えばそうだけど、クラスメイトのみならず、学校でも先生の評判はあまりよくない。だから正直、一番ハズレの担任に当たってしまったという感覚が強かった。