青の先で、きみを待つ。




『今日の五限目に遠足の実行委員を決めるらしいよ』

授業が終わるとまりえの周りには女子たちが集まってくる。他のクラスの男子もまりえ目当てで会いにきたりするし、彼女は本当に人気者だ。


『まりえが実行委員やりなよ! 現地ではほぼ自由行動らしいし、やること全部まりえが主導になって決めてよ』

『えーどうしようかな』

渋る様子を見せながらも、まりえは乗り気だった。

今年の遠足は自然の森っていう場所に行くようで、バーベキューをしたり、木彫り体験をしたり、とにかく自然とのふれあいが目的らしい。


『まりえと仲がいい三組の男子も実行委員になったって。バスの中でカラオケ大会やるって張り切ってたよ』

『そうなの? やる人がいないなら私がやってもいいけどさー』

『やりな、やりな! ってかまりえ以外に適任な人なんていないから!』

みんながまりえのことを過度に(おだ)てている。

たしか三組の男子って、まりえが気になってる人だった気がする。委員会だと集まりも多くあるし、そのたびにまりえはその男の子に会えるから、すでにやる気満々のようだった。

……ところが、ちょっとした事件が起きた。