青の先で、きみを待つ。








『ねえ、あかり。それって自分でやってるの?』

ある日の休み時間。まりえが近づいてきて、私のフリスクケースを指さしていた。

『うん。この前暇だったからさ』

『すごっ! 今度私にも作ってよ!』

それはスワロフスキーでデコったケースだった。

凝り始めたのが、いつ頃だったのかは曖昧だけれど、SNSに上がっていた方法でやってみたら案外上手く作れることがわかり、それからはなんでもこうして自分でアレンジするようになっていた。

『そういえばあかりに借りたDVD見たよ。めちゃくちゃ面白くて二回も見ちゃった』

『でしょ?』

まりえとは趣味も性格も似ていて、すぐに打ち解けた。今では学校以外でも頻繁に遊んでいる仲だ。

『今日うちに取りにきてもいいよ。ってかそのまま泊まっていきなよ!』

『うーん。でもまりえの寝言ってうるさいしなー』

『ちょっとそれは言わない約束でしょ!?』

『はは、ごめん、ごめん』

今まで友達はいたけれど、下の名前で呼び合うことも、泊まりに行ったりすることもなかったので、全部まりえが初めてだった。

まりえは綺麗で見た目も派手だから、学校でも目立つ存在。言うなれば私とは正反対だけれど、まりえはいつも隣にいてくれて、気づけば友達以上の親友と呼べる関係になっていた。