青の先で、きみを待つ。










週明けの月曜日。いつも騒がしい教室は少しだけ雰囲気が違った。

「今日の一限目は自習の予定でしたが、急遽クラス学級を開きます」

濱田先生が朝のホームルームでみんなに呼び掛ける。自習の時間イコール自由時間だと思っているクラスメイトたちからは、一斉に大ブーイングが起こった。

「行事の決めごとがあるわけじゃないのに、クラス学級をやる意味がわかりません!」

「自習の時間が潰れるなんて絶対に嫌です! だったら先生の英語の授業を潰してください」

「あ、それ賛成ー!」

勝手に話を進め始める生徒たちに、濱田先生は終始厳しい顔をしていた。そして、私たちに背を向けたかと思えば、チョークを手に取り黒板に文字を綴っていく。

〝いじめについて゛

どこの席からでも見えるように、先生は大きくそう書いた。

やっとクラス学級が行われる意味が理解できたようで、みんなが顔を見合わせて黙っていた。

次に先生は白いプリントを取り出して、それを前から順番に回していった。私の手元にも届いたので、すぐさま目を通す。それは無記名のアンケート用紙だった。

「手書きで見づらいかもしれないけど、各々正直に書いてほしい」

そこには、質問がいくつか書かれている。

《クラスでいじめはありますか?》

《目撃したことはありますか?》  

《上記にあると答えた人はどこでそれを目撃しましたか?》

そんな内容が続いていて、最後にはこう書かれていた。