青の先で、きみを待つ。






あれから二日が経った。私の生活はとくになにも変わっていない。でも彼に歩み寄ってみようと思った途端に、あれだけ悩まされていた頭痛が治まった。

偶然かもしれないけれど、体の調子もずっと良い。

「あ、そういえば蒼井翔也のことなんだけど」

自分の席に座りながらファッション雑誌をめくっていた美保が急に彼の名前を出してきた。ちょうど頭で考えていたところだったので動揺して、思わずペットボトルの紅茶を溢してしまった。

「もうなにやってんのよ」

「ご、ごめん。手が滑って……」

美保が箱ティッシュを持ってきてくれた。

「で……蒼井がどうしたの?」

「ああ、前に蒼井に絡まれたことがあったって言ってたでしょ? それからちょっとだけ彼のことについて調べてみたんだ」

どうやら蒼井は一年生の時に先輩とトラブルを起こして自宅謹慎になっていたらしい。理由は明らかにされていないけれど、彼の保護者や先生、校長まで交えての話し合いが行われたそうだ。

「蒼井ってなに考えてるかわかんないし、絶対に裏でヤバいことしてそうだから、あかりは関わったらダメだからね」

「う、うん。気を付ける」

返事はしたものの、実はそのヤバい彼と昼休みに会う約束をしていた。