青の先で、きみを待つ。




「ねえ、あの子ってさ……」

学校で向けられる視線は、別の意味で厳しいものになっていた。

好奇の目で見られることには慣れていたとはいえ、今では屋上から飛び降りて自殺未遂をした子というレッテルを貼られている。

けれど、こうなることは予想していたし、少しでも逃げたいという気持ちがあれば、私はこの高校に通うことは選ばなかった。

背筋はもう曲げない。誰になにを言われたって、へっちゃらだし、なんなら槍でもなんでも降ってこいという強い気持ちでいる。

でも、私の心は、ひとつだけ欠けている。

それは、どこを見渡しても学校に蒼井がいないことだ。

今日の1限目は急遽クラス学級が開かれることになった。濱田先生の手には白いプリントが握られている。

「今日はクラス全員で真剣に話し合いたいことがあります」

生徒に無関心で自分本意の先生が、とても真剣な顔をしていた。その姿にいつも騒がしくしてるクラスメイトたちも口を閉じて、耳を傾ける。

静かな教室で回ってきたプリントには《いじめについて》と書かれてあった。