み、美保……?

私はなにが起きたのか理解できなかった。

「は? なに、どういうこと?」

それは沙織も同じようで、かなり戸惑っている様子だった。ふたりは私が出逢う前からの友達だし、沙織が美保を気に入っていたことはみんなが知っていたことだ。

「私はあかりと友達だし、友達をやめる気もないから」

美保は、揺るぎない強い瞳をしていた。

ここで私の味方をしたらどうなるのか、彼女が一番わかっている。だからこそ、いじめを知らん顔できない私とは合わないと離れていった。それなのにどうして……?

「そんなダサいやつとつるむと美保までダサくなるよ? 美保は可愛いしスタイルいいし男子からの評判もいいんだからさ」

「私ダサいよ? 流行りだって無理して覚えてるし、オシャレに毎日気を使うことにも疲れちゃった」

美保はそう言って、私と沙織の間に入った。沙織もだんだんと美保を見る目が変わっていく。

「ってことは美保は私じゃなくて、あかりを選ぶの?」

「選ぶ? あかりは私から声をかけて友達になったんだよ? 当然じゃん。それに私、ずっと沙織のことだけは苦手だった。ごめん」

「……あっそ、わかった。ダサい三人組で永遠に仲良くしてれば」

沙織は不機嫌に机を蹴り飛ばしたあと、取り巻きの女子を連れて廊下に出ていった。