青の先で、きみを待つ。




「はは、保坂は違う違う。この前も学校の近くを通ったからって顔を見せに来てくれたけど、彼はそんな事件を起こすような子ではないよ」

そう言って、軽く笑い飛ばされてしまった。

たしかに見た目は好青年だった。でも一緒にいた人たちはそうじゃなかったし、なにより蒼井にタバコを勧めていた。

先生の口調からして、かなりの優等生だったことが窺えるけれど、事件を起こすような子ではないと断言はできないと思う。

「その保坂って人はいつの卒業生ですか?」

「去年だよ。紺野が一年生の時に保坂は生徒会長をやってただろ? 覚えてないか?」

あんまり記憶にないけれど、生徒会長というからには、やっぱり相当優秀な生徒だったんだろう。

けれど、年齢的に未成年だし、タバコが許されている歳ではない。私が昨日見た〝保坂〟と先生の教え子だった人との間にはズレがある。

もしかしたら、同じ名字なだけで、まったくの別人という可能性も出てきたので、あまり深追いはせずに、先生への相談もそこで終わらせた。