青の先で、きみを待つ。





「とりあえず服着ろ。まあ、お前の下着なんて見てもなんとも思わねーけどな」

「な、な……」

失礼すぎて、なんにも言葉が出てこない。彼はなんとも思わないと言ったくせに、早くしろと言わんばかりに後ろを向いてくれている。こんなやつに従いたくないけれど、私も見られながら着替えるよりはマシだと、急いで制服に腕を通した。

「終わった?」

「あ、まだブレザーが……」

「粗末な肌が見えてないならいい」

「そ、粗末!?」

「っていうかお前って本当にトロいよな。色々と」

合図も送ってないのに、彼はもう私のほうに向いていた。

なんで私は数々の暴言を吐かれているんだろうか。それとも呼吸をするたびになにかを言わなきゃ気が済まない人とか? 

本当に神経を疑うっていうか、こんなに失礼すぎる人には会ったことがない。

「しかもお前のせいで風邪ひくし最悪」

「な、なんで私のせいなの? 最初から傘をさしてなかったのはそっちだと思うんですけど」

「うるせーバカ」

「バ、バカ? そ、そもそもあなたは誰なの? 今朝はなんの用があって私に声をかけてきたんですか?」

「用っつーか確認? 本当になにも覚えてないのかどうかの」

「だから覚えてないってなにがですか?」

「………」

彼は肝心なところで口を結んでなにも言わない。恐怖心よりもだんだんムカついてきた私は深いため息をついた。