青の先で、きみを待つ。





「紺野さん」

午前の授業が終わり昼休み。保健室の先生が廊下から顔を覗かせて私のことを手招きしていた。

「制服乾かしておいたから後で取りにおいで」

「え! 本当ですか?」

詳しく聞くとなんとアイロンまでかけてくれたらしい。

「ありがとうございます! 今持ってきてもいいですか?」

「いいわよ。制服は保健室の窓に掛けてあるからね」

「はーい」

美人で優しい先生に心が癒される。私はお母さんが作ってくれたお弁当を急いで口の中へと押し込んで、保健室へと向かった。

――ガラッ。

扉を開けると、すぐに私の制服が目に入った。ブレザーにワイシャツ。それからスカートに靴下と全滅だったにも関わらず、そのすべてが乾いてある。

きっと先生がドライヤーでせっせと水気を飛ばしてくれたんだろう。本当にありがたいし、助かる。

さっそく着替えてしまおうと、保健室のカーテンを閉めたあと、扉の鍵もかけた。誰も来ないだろうけど念のためだ。

ジャージのチャックを下げて上着を脱いだ瞬間に……「へっくしゅんっ!!」という大きなくしゃみが聞こえた。もちろん私のくしゃみでない。