「大人はね,何も真面目に毎日フルタイム働かなくったっていいの。帰りたいなら帰るんだよ」



鼻歌でも歌い出しそうなお義母さんは



「それよりも」



と私達の間に視線を落とす。



「お義母さんは2人の仲が良くてとても嬉しい」



咄嗟に離しそうになった澪の手。

ぐんっと肩が外れそうになっただけで,離されはしなかった。

上を見上げると,きょとんとした澪の顔がある。

何で今,急に鈍感なの…



「あっあのね,お義母さん」

「なぁに? (みお)

「私達,ただの仲良しじゃなくて…」

「ふんふん」



…お義母さん?

何か,楽しそう?

私が上目にお義母さんを覗き込むと,お義母さんはニッコリとスマイルを向けた。