帰宅すると、有佳はキッチンでぼんやりとしていた。
やはり気分が良くないのだろうか

「有佳大丈夫?無理をしなくていいよ」

「あっ、ごめんなさい。ちょっとぼんやりしていて」

なにかあったら大変だ、
「ほら、座って」といって椅子を引くと、有佳は素直に座った。

「あとはオレがやるから、といってもどうしていいかわからないからそこで座って指示をしてくれる?」

「じゃあ、お願いしようかな。あとはお味噌汁を温めるのと味付けは終わっているからお肉を焼くだけ」

それくらないなら大丈夫だ「まかせとけ!」と言って腕まくりをして肉を焼く。
これからはもっと家事を手伝おう、有佳が体調が悪いときはオレが食事の準備ができるようにすこしづつ教えてもらおう。

「ところで病院へ行ってみた?」

「うん、様子を見ようっていわれた」

「前に胃カメラでの診察は問題が無いって言われたんだよね?」

「うん」

「だったら、その・・・・産婦人科とか行ってみたら?」

「婦人科?」

有佳はきょとんとした顔になったが、もしかすると自分では気づいて無いのかも知れない。
「うん、昨日、田中と斉藤に言われたんだけど、もしかしたらおめでたじゃないかって」

そこで、有佳も合点がいった様に
「そう言われてみると・・・明日さっそく行ってみるね」

「そうだよ、今日は夕食を食べたらすぐに休むといいよ。あとはやっておくから」

「やさしいね。ありがとう」

「愛する妻の為だから」
本当に、愛してるんだ。この気持ちは嘘じゃ無い。


有佳は隣の部屋で寝ている。

そして、大森恵美からのLINEにショートメール、電話が異常な数になっている。
ブロックをすることもできるが、むしろその方が危険な気がした。