翌日も有佳は体調がわるく書斎で寝ていた。
気になるが、それ以上に大森さんからの電話が異常に多かった。
出るつもりはないから無視をし続けたが、どうしていままでもこんな風に無視をしなかったのか、別に会って話をする必要はなかった。

これで終わりにするといいながら

下心が無かったとは言い切れない

本当にバカだった。



独りぼっちでこの広いベッドに寝るはいつまで続くのか。

体調を崩して辛いのは有佳なのだから、そんなことを言ってはいけないと思いながらも、有佳の体温が恋しいと思ってしまう。



目が覚めてリビングへ向うと、味噌汁のいい香りがしてきた。

「おはよう、大丈夫?」

「うん、本当にごめんなさいもう大丈夫だから気にしないで」

たしかに、顔色も良さそうでほっとする。

焼き鮭とほうれん草のごま和えに冷や奴、そして具だくさんの味噌汁。
しっかりとダシのきいた味噌汁は一口飲むと心がゆったりとして安心する。
この先もずっとこの味噌汁を飲みたい。