昨夜はなんとなく気まずかったが、朝になるといつもの有佳になっていた。

「昨日はごめんなさい、病院には行ってるんだけど実は原因が分らなくて他の病院へ行ってみたりしてるの」

有佳は調子が悪いといっていた。ポリープになっていないにしても胃が荒れていると言われていたんだ、オレ自身がやましいことがあることで神経質になっているのかも知れない。

こんな生活は早くやめないと
「そっか、オレの方こそごめん、有佳が大変なのに。今日はなるべく早く残業を切り上げるよ」

「大丈夫だよ、しっかりお仕事してきて」
「あれ?ちょっと後ろ向いて」

言われたとおりに有佳に背を向けると「あれ、なんかちょっと変な感じになってるよ」と言いながらベルトとスラックスを調整しているようだった。
こんな些細なことだが、身だしなみを気にしてくれる妻という図が有佳にハマってかわいくてキスをしてから家を出た。

この幸せは守らないといけない