疑われているのかもしれないと思うと、有佳の言動が気になってくる。
確かに体調も悪そうだが、オレが有佳を不安にさせているせいで胃が荒れているのかもしれない。

簡単につまめるように有佳がサンドウィッチを作ってリビングのテーブルに置いた。
テレビでは情報番組が愛妻家で売っている俳優の不倫問題を話題にしていた。
なるべくなら避けたいが、センセーショナルな話題だったためなかなか終わらない。
疑われているのに、ここで立ち上がるのはマズい気がして素知らぬふりで座っていると
「浮気をするのって、奥さんの事はどうでもよくなったてことなのかな?浮気相手のことが好きなら、もう元に戻らないよね。そうでしょう賢也?」

喉から心臓が出てきそうだった。

声がうわずらないように一度つばを飲み込む。

「え!!いや・・オレは・・・・浮気をしても奥さんを好きって事もあるし」

明らかに動揺したようになってしまったが、オレは有佳が好きだ、そのことには嘘は無い。

「ふ~ん、でも私はダメかも。同じ空間にもいられないかも」

もう無理だ一度深呼吸がしたい。
「そうなんだ・・・何か飲む?淹れてくるよ」

「いらない」
有佳の返事を聞く前に歩き出していた。

なんとかしないと・・・
今はまだ怪しまれているだけだろう、本当にオレが浮気をしていることがバレてしまったら有佳はもうオレの隣にいてくれない。


今度こそ本当になんとかしないと