二ヶ月前のあの夜に戻りたい。
二次会に出れば良かった、残業せず田中と斉藤と共に休日出勤をすれば良かった。

彼女の痕跡を洗い流していく。
どうして、何で部長にバラすとか・・・
部長に話せば自分だって不利になるだろう、既婚者を誘惑したんだから・・・
いや、そんな風に言うわけが無い。どうせオレが誘ったとでも言うのかも知れない

丹念に身体を洗ったあといつものようにベッドルームに戻って肌着とスウェットを着てベッドに入った。

「賢也」

「ごめん、起こしちゃった?体調はどう?」

「うん、平気・・・だから・・・しよ?」

いつもは断るのに、どうしてこんな時に・・・
あんなことをしてきた後なのに・・・
「ごめん、疲れちゃって」

「そうだよね、ごめんね」
そう言うと有佳はベッドルームを出て行った

ごめん、ごめん、ごめん
やっぱり、有佳を追いかけようか
抱きしめてキスをしてそして・・・


いや、ダメだ
さっきまで彼女の中に入っていたモノを有佳に入れることはできない。


明日はどこかに誘ってみよう。