「離婚に応じてくれない」

「そうだろうね」

「松崎さんはわかっていたんですか?」

お昼は松崎さんが事務所にいるときは、給湯室で簡単な物を作って食べる様になった
松崎さんは平たいきしめんをつるつるとすすりながら

「音声データを聞いたときに、ご主人と不倫相手に温度差を感じたんだよね」

「でも、大森恵美と浮気していたのは本当でしょ。賢也だけ好きなようにして私とまた生活をしていこうとしているけど、私は無理。大森恵美と賢也が私のことをバカにしながらセックスしてたと思ったら、それだけでも嫌な気持ちになるし、一生忘れることはないもの。それに、賢也とはもうできないし、したくもない」

「どうしても別れないというのなら、訴訟をおこすか慰謝料を諦めて自由を得るという考え方もある」
「一応、その方向でも誓約書を作っておこうか?」

「自由・・・」