ビールに焼酎、サワー用に炭酸とレモン、グレープフルーツを購入した。

バケットでガーリックトーストを作りチーズ、手羽先の甘辛煮、ポテトサラダとネギチャーシューを辛めにしてお酒にあうようにアレンジしたものをリビングのテーブルに並べていると玄関のチャイムがひとつなって鍵が解錠された。

玄関に向うと賢也と同僚だという男性が2人が居た。

「はじめまして、いきなりすみません」

「うわ~奥さん美人ですね」

「おだてても何もでません。さぁどうぞ、たいしたおもてなしはできませんが」

賢也は耳元で「急で本当にごめん」

「大丈夫よ、むしろお客様がくるなんて賑やかでいいわ」

リビングに入ると、同僚二人が料理に感嘆しながらソファに座った、賢也も目を見開き驚いたようだった。
「手作りしてくれたんだ」

「夫の友人をおもてなしするのは妻のつとめですからがんばりました」と言ってニッコリと笑った。

ちくわにチーズを入れ一口大に切ってから青のりを入れた衣につけて揚げていると、すこしチャラそうな斉藤さんがキッチンに入ってきた。

「何かお手伝いしますよ」

「ありがとうございます、でも一人で大丈夫ですからリビングで飲んでください」

「俺、学生時代はずっと居酒屋の厨房でバイトしてたんですよ、今も自炊してるんです」

「それなら磯辺揚げをお願いします」

「まかせて」
手伝いを自らかってくれただけあって手際がよかった。

「すごいですね」

「いや、奥さんの料理めちゃ旨いですよ、毎日奥さんの料理が食べられるなんて片桐がうらやましい」

「とんでもない、でも褒められると嬉しいですね。きっと私は褒めると伸びるタイプかも」

だれかと一緒に料理をするのは楽しいし、斉藤さんはそういうところが慣れているんだと思った。

油が跳ねて指についてしまい思わず「あっ」と声が出てしまった、斉藤さんはすぐに気がつき
「痕がついたらいけないからすぐに冷やしたほうがいいよ」
といって、私の手を取ると流水に指をつけてくれた。
身体が密着して少しドキッとした。

「どうしたの」

あからさまに賢也は不機嫌になってた。何か勘違いしているのかもしれないが、賢也に言われたくない。

「油が跳ねてしまって斉藤さんが手当をしてくれたの」

賢也は斉藤さんをどけて私の手を取った。
無性に気持ち悪くなった。

「ごめん、ちょっと」
そう言うとトイレに駆け込んだ

気持ち悪い・・・

便器に顔を近づけて吐き気に耐えた。

ようやく落ち着いてトイレからでると、三人が外で待っていた

「ごめんなさい、よかったら皆さんはまだゆっくりしてください。私はちょっと失礼します、賢也いい?」

「もちろんだよ、体調が悪いことを知ってたのにゆっくり休んで」

「後片付けをしておくから安心して」と斉藤さんが言った。