「賢也起きてる?」

「どうしたの、眠れない?」

「うん・・・その・・・したい」

「え?!」
予想以上に驚く賢也に私の邪な気持ちがバレてしまったのかと恥ずかしくなった

「えっと・・・ごめん、残業で疲れていて」

勇気をだしたのに拒否されたことと、自分から誘ったことに急に恥ずかしくなってベッドを出た

「ごめん」

賢也の顔を見ることができない。
「うううん、そうだよね残業してきて疲れているのに。すこしテレビを見てから寝るね」

いたたまれなくて、ベッドルームから飛び出してリビングのソファに座る。
なにも考えたくなくて深夜番組を見始めたが、何をやっているのかもわからない。

緊張でカラカラになった喉を潤すためにキッチンに向かう途中、ダイニングテーブルに置き忘れた賢也のスマホにお知らせが届いた。
そこには、今夜も楽しかったね、来週も楽しみと言う言葉が表示されていた。

ワイシャツから香る匂いはまだ不安の域だった。





でも、これはもう疑惑でしかない。