賢也の勤めている会社が入っているビルの向いにあるハンバーガーショップで松崎さんとアイスコーヒーを飲んでいた。

松崎さんのスマホには賢也の位置を示しすポインタが動いてる。

「GPSは見つからなかったようだね、これで尾行に失敗しても居場所は確認できるから」

「本当は出てきて欲しくない、残業していて欲しい・・・バカみたいですよね」

「いや、そう思うのが当然でしょ。結婚して2年だっけ?」

「2年間一緒にいてもこんなに簡単に壊れていくんですね」

「逆に言うと、2年で分ってリセットができるのは幸福なんだと思うよ、有佳ちゃんはまだまだ若いからやり直しがきく」

「やり直し・・・」
そんな話をしているとビルから賢也が出てきた。
あわてて立ち上がろうとした私を松崎さんは腕を捕まえて「もう少し見よう」と言って止めた。

賢也が歩道を歩いて行くとその後から写真の女性が出てきた。

「同じ会社の人・・・」

「まぁそうですね」

「知ってたんですね」

「ええ、オプション調査のために調べました。そろそろいきますよ」

松崎は飲みかけのアイスコーヒーを一気に飲み込むと立ち上がった。