家に帰ると賢也は柔やかに迎えてくれた
「楽しんできた?」

あなたは毎週楽しんでいるものね、
そんなことは言えないから「うん、楽しかったよ」とだけ答えた。



夜に賢也が求めてきた。
あの写真を思い出して嫌悪感で体が強ばる。

「体調が悪いから無理、しばらく書斎で一人で寝るね」

「それなら、オレが書斎で寝るよ。有佳がベッドで寝るといい」

「大丈夫、言ってなかったけど書斎にソファベッドを入れたの」
賢也に抱かれたベッドにはもう二度と寝たくなかった。

「ソファベッド?いつ買ったの?」

「ダメだった?そうよね、毎週金曜日に遅くまで残業してくれているのに無駄使いとかダメだったよね。ごめんなさい」

賢也は慌てて「そんなこと無いよ」と言う姿が少し滑稽に見えた。